【ストーリー】パンダちゃんのことだま

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梅雨の晴れ間の日のこと

ツーリッキとヴィリヨが、縁側でばぁばちゃんと遊んでいると・・・。

「ツッキーちゃん、こんにちはぁ・・。」

パンダちゃんがやってきました。

ツーリッキ
あ!

パンダちゃん、こんにちは!

ばぁば様
パンダちゃん、どうしたの?

なんだか元気がないようだけど・・・。

 

ばぁばちゃんがそうたずねると、パンダちゃんは泣き出してしまいました。

 

パンダちゃんは、ぽつり、ぽつり、話しを始めます。

パンダちゃんのお母さんが、このごろグッタリしていること。

どうやら病気かもしれないこと。

ツーリッキ
大丈夫なのかな?!

ばぁばちゃん、どうしよう・・・。

ばぁば様
そうだねぇ・・・。

お見舞いに行ってみましょうか。

 

ツーリッキとヴィリヨ、ばぁばちゃんは
パンダちゃんのお母さんの、お見舞いに行くことにしました。

 

パンダちゃんのお家に着くと

パンダちゃんのお母さんは、お掃除をしていました。

「お母さん、ただいま。

ツッキーちゃん達が来てくれたの。」

ツーリッキ
こんにちはー!
ヴィリヨ
ちわぁ!
ばぁば様
お加減はいかがですか?

「あらあら。ありがとうございます。

どうぞ、あがってください。」

パンダちゃんのお母さんは、なんだか疲れているようでした。

 

「お母さん、メロンゼリー買ってきてくれた?」

パンダちゃんがそう聞くと、お母さんはすまなそうに答えました。

「ごめんね。メロン味は無くて、イチゴ味のゼリーを買ってきたのよ。」

「えー!!お母さんったら、ひどい!!メロンって言ったのに・・。」

パンダちゃんは怒ってしまいました。

「お母さんはいじわる、ひどい、ひどい!!」

 

そんなパンダちゃんをみていて、ばぁばちゃんは何か分かったようです。

 

ばぁばちゃんは、立ち上がると

ばぁば様
パンダちゃん、よーく見ていてね。

魔法のステッキをくるくると回しました。

すると・・・

 

ごやごや・・・もやもや・・

パンダちゃんと、パンダちゃんのお母さんのまわりに

黒い雲のような、もやもやしたものが沢山現れました。

「きゃー!!」

パンダちゃんは驚いて、しりもちをつきました。

お母さんは、もうぐったりと目を閉じています。

黒い雲はざわざわと動いていて

ツーリッキとヴィリヨは、もう目が真ん丸。

 

「これは何?!どうしたら良いの?!」

パンダちゃんは、震えて言いました。

ばぁば様
言葉をね、目に見えるようにしたの。

これはね、ことだまというものだよ。

ツーリッキ
ことだま
ヴィリヨ
ま?
ばぁば様
簡単に言うと、言葉のおばけ・・・かしら?

ほほほ。

ツーリッキ
おばけ?!
ヴィリヨ
け?!

 

おばけと聞いて、みんなおっかなびっくり!

ばぁば様
言葉にはね、力があるんだよ。

良い言葉を使っていると、キラキラきれいな良い力のことだまが集まってくる。

反対に良くない言葉、悲しい言葉ばかりを使っていると

こんな黒いことだまが集まってくるの。

 

「お母さんが元気ないのは、このことだまのせいなの?」

ばぁば様
そうだよ。

パンダちゃんは「ひどい」って言葉をよく使うの?

 

「・・・うん。いつも言ってると思う・・。」

パンダちゃんは、もじもじして言いました。

ばぁば様
「ひどい」「ひどい」って言ってるから

「ひどい」ことだまが生まれて、集まってきてるんだね。

「ひどい」ことだまが体のことも心も、ひどくしてるんだよ。

 

みんなはしーんとして、はなしを聞いていました。

ばぁば様
パンダちゃん、優しい言葉は何か思いつくかな?

聞いていると、嬉しい言葉。

「優しい言葉・・?」

パンダちゃんは、考えました。

「わかった!」

ばぁば様
じゃあ、その言葉をお母さんと

自分にも聞かせてあげてみて?

「自分にも?」

ばぁば様
そう。

パンダちゃんのお耳も、いつも言葉を聞いているからね。

 

「だいすき!」

パンダちゃんは大きな声で言いました。

「お母さん、だいすき!

わたしもだいすき!」

すると、黒いことだまがひとつポンっとはじけました。

ヴィリヨ
おー!
ツーリッキ
わ!こわれた!

パンダちゃん、もっともっと!

 

ツーリッキとヴィリヨは、パンダちゃんを応援します。

 

「えーと・・えーと・・うれしい言葉・・・。

お母さんやさしい!

あ!お母さん、いつもありがとう!

お母さん、すてき!

・・・そして、わたしはいつも、しあわせだよ!」

パンダちゃんは、思いつくかぎり良い言葉を

お母さんと自分にかけました。

ぽんっ、ぽんっ、次々と黒いことだまは消えて、すべてなくなると・・・

 

今度はきらきら光り輝くことだまが、ひとつ、またひとつと

あらわれました。

 

みんなのまわりには

ひかりのことだまがきらめいています。

ツーリッキ
パンダちゃん、やったね!

すごくきれいだよ!

 

ツーリッキは、拍手。

パンダちゃんは、頬を赤らめて誇らしげです。

 

すると、お母さんが目を覚ましました。

パンダちゃんは泣きながら、お母さんに駆け寄りました。

「お母さん、いつも悲しいこと言ってごめんね。

困らせてばっかりでごめんね。

もうわたし、わかったよ。お母さんだいすき。」

 

それから・・

パンダちゃんとお母さんは、いつも元気いっぱい過ごしています。

ツーリッキ
ばぁばちゃん。

今、魔法をつかったら

きれいなことだまがみえるでしょうね。

ばぁば様
そうね。

ヴィリヨ
ね!

 

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