ある日、トゥーリママは子どもたちを呼びました。
ヴィリー!
「はーい!」とすぐに返事をしたのは、ツーリッキ。
とても元気な声です。
ところが、ヴィリヨの声は聞こえません。
またトゥーリママが呼んでみますが・・・。
どうやら、ヴィリヨはおもちゃに夢中になっているようです。
ヴィリヨ、お母さんが呼んでいるよ。
それを見ていたばぁば様が、ヴィリヨに声をかけました。
はーい?
ヴィリヨのとぼけたお返事に、ばぁば様は笑っています。
お姉ちゃんのツーリッキは、優しく弟に教えます。
名前を呼ばれてお返事をするのは、
あいさつの一番はじめのマナーかな。
トゥーリママはそう言いました。
ヴィリヨは不思議そうな顔をして、首を傾げています。
相手のことを考えて動くことだよ。
みんな1人で生きているわけじゃないよね。
いろーんな人が世界にはいる。
考えてみて?
だから、みんなで暮らすなら気持ち良く暮らしたいと思わない?
トゥーリママはふたりにたずねました。
ふたりは元気にこたえました。
いろんな多くの人に毎日助けてもらっているし
たくさんの人のおかげで今の暮らしができるんだよ。
そういう感謝の気持ちも一緒にね。
すると、ばぁば様がこんなことを教えてくれました。
あまり話さない人だったの。
だから、「おはようございます」と言っても
「行ってきます」と言っても、何も返事がなかったのよ。
ばぁば様が小さいとき?
ばぁば様可哀想・・。
ふたりはしゅん・・・。
子どものばぁば様はすこし悲しかったかな。ほほほほ。
でも大丈夫だよ!
ばぁば様!
私とヴィリーは、ちゃんとお返事も挨拶もするよ!
それなら嬉しいでしょ?
ヴィリー、もう忘れちゃダメだよ?
どうやら、ふたりは
またひとつ大切なことを学んだようです。
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