今回の読書記録の一冊はこちら。
”150人のお金持ちから聞いた一生困らないお金の習慣”
約150人のお金持ちから記者がヒアリングした内容をもとに執筆したお金持ちの実像を明らかにした本です。
著者自身も1億円を運用していると言います。
資産1億以上、年収3000万以上のお金持ちを目指すなら読んでおきたい一冊です。
お金持ちになるために、天才的な能力は必須というわけではないが、人と同じ行動をしていては絶対ダメなのである。著者:加谷珪一
本のまとめ
6章に分かれています。
1章 お金持ちってどんな人?
2章 お金持ちはこんなことを考えている
3章 お金持ちのコミュニケーション術
4章 どうすればお金持ちになれるのか?
5章 こんな行動でお金は逃げていく
最終章 小金持ちでもいいから、なんとかしたい人へ
1章
・(毎年の収入)が極めて大きい人、もしくはストック(持っている資産)が極めて大きい人のことを世の中でお金持ちと呼んでいる。
・日本のお金持ちの資産は土地に大きく偏っているのが特徴。資産のほとんどが土地と言うお金持ちは資産を持っていても十分に稼ぐことができない。
・欧米のように資産の多くが金融資産であれば株に投資したり会社に出資したりといろいろな運用方法があり、お金を生み出すことができる。
・転落しないお金持ちになるためには、フローをストックに変えていく必要がある。
・日本の相続税の制度では三世代を過ぎると資産はほとんどなくなってしまうと言われる。
・タワマン居住者は新たな破産者予備軍とも言われている。
東京間のタワーマンションは大きく3種類に分類される。
①都心に建てられた高級物件 ②湾岸地域の物件 ③首都圏近郊の物件
都心部の超高級物件を購入する層は明らかに富裕層。地方の富裕層がセカンドハウスとして購入するケースも多い。
一方湾岸エリアのタワーマンションを購入する層の中心は、富裕層ではなく大手企業のサラリーマン層が多いと言われている。
湾岸部のものを購入しているのは年収1000万円前後のサラリーマン。
・お金持ちとそうでない人を分けるおおよその分岐点は資産ベースでは3億円、年収ベースで3000万円と言うことになる。
・エンゲル係数とは家計の消費支出総額に占める食費の割合。平均20から25%前後数値が高いほど貧しいとされる。(エンゲル係数(%) =食費÷消費支出× 100)
お金持ちとはどんな人なのか?でしたが、一見お金持ちに見えてもそうでない場合もあり、お金持ちを継続していくためには、土地の活用や会社の上場などで資産を増やしていくと良いのですね。
2章
・特にすごいのが結果のすべてを自分のせいにできる精神力の強さである。全てが自分の責任と考える。
・お金持ちは危機管理のプロ。
・お金持ちで数字に強い人は多い。特に数字の絶対値と率を区別して考えられる人はお金持ちへの切符をより簡単に手にできるようだ。
・世の中にはお金を出して時間を買っている人、お金をもらって時間を売っている人がいる。時間を上手に切り売りした人が大儲けできている。
・風邪やインフルエンザの感染ルートを徹底的に調べると、電車内の飛沫感染、エレベーターボタン等からの接触感染の割合が極めて高いことがわかった。
・行列に並ぶのは自分の時間を店側にプレゼントしている。行列に並ぶのは他人と違うのでであると言う確認作業に他ならない。
・行列に並ぶと言う事は自分が完全に消費者の側に立っていることを意味している。このようなことばかりやっていたのではいつまでもお金を貢ぐだろう。
・ファーストクラスはファーストクラスに乗ること自体にお金を出す人がメインの乗客なのだ。ビジネスのヒントになるかもしれない。
・お金持ちの時間には高い値がつけられており時間の進み方が変わってくる。
2章はお金持ちの考えることについてでしたが、お金持ちは常に自分に責任があるという考え方がベースで、つまり何事も自分が舵を切っていく感覚なのでしょう。ただの消費者で終わらずに事業者側にるは必要な思考だと思います。
第3章
・お金持ちになれる人は自分をより高めることを目的として友達を持つ。基本的には自分よりも立場が上の人あるいは同レベルなっても自分にはない能力やスキルを持っている人。
・共感から新しい考えが生まれてきたりから出てくるような事はほとんどないのが現実。
・コンプレックスを持った人間は見返してやりたいと努力するだけでなく、普通の人であれば見過ごしてしまうことでも気がつくことがよくあるのだと言う。
・初対面で有利な立場に立つためには外見の印象は極めて重要。
・ゼロからお金持ちになるためには投資や事業など何らかのリスクを取る必要がある。
・食事を共にして、今後会う価値がないとわかることは大きな収穫。
・自分は他人からお礼されるだけのことをしているのか常に考えた方が良い。
・世の中は常に動いており、チャンスはいつ巡ってくるかわからない。厳しい状況下では、お金がないと悟られないことも、お金持ちになるための重要な秘訣。
・多くの人が相手をお金持ちと判断する材料が時計なのだ。
お金持ちのコミュニケーションは人付き合いさえも損得で計算しているかのようですが、冷静な判断かもしれません。
第4章
・住む場所とお金持ち度合いには密接な関係がある。お金持ちになるための秘訣として都心に住むこと。・ビジネスチャンスや投資チャンスを耳にしたとしても、本当にお金に結びつくケースを20回に1回位しかない。
・自分がお金の話をした時相手がお金儲けに興味があったり何かのネタを持っている場合には、すぐに心を開いて色々と話をしてくるだろう。食いついて来なければお金儲けに関するデータ持っていないか、あっても絶対に他人に話すことのない人である。
・お金儲けの話を嫌悪する人のほとんどは、お金を持っていない。
・積極的にお金の話をすることで、お金に縁のない人を排除し、お金に関係のある人だけを選別することができる。
・本当に儲けている場合は包み隠さず正直に喋ることが多い。内容が詳しくて具体的な場合にはその情報を信用して良いだろう。
・設けた話を積極的にするのに肝心な部分を明かさない人はを儲かっていない可能性が高い。
・お金の話を積極的にすることがチャンスを得る最初のステップの後だとすると、お金の話に食いついてきた人の中から自分にメリットのある人をスクリーニングするのが次のステップである。
・興味の持ち方について分類する際に、人と物で区別する方法がある。要するに人物に対して興味を持つ人なのか、モノや仕組みに対して興味を持つ人なのかと言う違いである。
・お金持ちになると言う観点から言うとモノや仕組みに関心のある人の方が有利だ。もし仕組みに対して興味があるとすると、今度は仕組みの普遍化に関心が向く。お金儲けの仕組みを普遍化できれば、今度は別の授業やって欲しいものは聞くようになり、お金儲けのサイクルができてくる。
・ポートフォリオ組んで意味があるのは、億単位以上のお金を運用する投資家だけである。このクラスの人にとって大切なのは、資金をなくさないことと、インフレで価値が目減りしないこと。そのため数%を常に確保し個別銘柄の影響で意見だけを受けたりするためポートフォリオを構築する。
・株式投資の世界では8割は負けていると言われている。
・証券会社の営業マンが抱えている顧客の平均的な寿命は1年。
・多くの成功した投資家が語りたがらないことの1つに、特定銘柄への集中と言うものがある。
・不動産投資はとにかく実物を見なければ話にならない。不動産会社の営業マンが持ち込んでくる物件は100件200件にもなるがその中で一件良いものがあればマシ。
・良い物件を確保するためにはかなりの覚悟とマメさが必要であり、なんとしても儲けてやると言う執念がなければ続かないだろう。
・長期的にみた場合、株価はGDPに比例するので、日本株だけに投資をするのは危険だと筆者は考える。米国企業、グローバルなビジネスを行っている日本企業、中国企業の順で投資先を選別が望ましい。
・不動産や金等への投資を検討してる人もいるかもしれないが、日本は人口減少が進むので、不動産は今後、余剰となる可能性が高い。実物不動産よりも優良不動産を証券化したREIT (不動産投資信託)の方が安定的に運用でき、かつ高い利回りが得られるだろう。
・金は持っていても利子や配当を生まないので、あまりお勧めできる投資商品とは言えない。
・富裕層大抵金を保有しているがその理由はインフレが発生したときには金を持っているとリスクヘッジになるからである。
・お金持ちの年齢制限は一般に30代前半と言われている。
・年配者の話を聞くコツ。昔の話を全体的に聞き今との違いではなく変わっていないことに注目して聞く。
お金持ちになる方法です。都心に住み、お金を生み出すコネクションやシステムを作ることですね。
どんなに忙しくても大変でも、明確なポリシーを持ち、それをブレずに保ち続ける事は大変だが、本当に実行できるなら、どんな分野であれ、お金持ちへのパスポートを半分手にしたも当然である。著者:加谷珪一
5章
・お金を持っていない人や会社を相手にしてお金儲けをする場合には、以下のどちらかの条件をクリアしている必要がある。①トラブルのリスクを補ってあまりあるほど利益率が高い。②相手の数が極めて多く販売が極めて簡単。
・売り上げを増やして経費を少なくすれば利益が最大化するのは当たり前のことであってそのことを聞かされても誰も驚かないし喜びもしないだろう。ただこの話がお金持ちになるための法則として何度も何度も登場しているのであればそれは傾聴に値するのだ。
・多くの人が当たり前のことをできていない。売り上げを増やして経費を少なくすると言うのは、どんな犠牲を払ってでも実現すべき目標だということがわかってくる。
・頑張ったのにうまくいかずかわいそうと言う考え方は、頑張ったらご褒美が与えられて当然と言う考えである。
消費者から投資家までの3つの段階
①完全に消費のみを享受する純粋な消費者
②投資家の側の理屈を理解した賢い消費者
③投資に専念する投資家
頭では分かっていても行動に移していないというものですね。そんなことをしているから、お金が逃げていくのですね・・。
お金持ちを目指す以上、仕事の能力があるのは当たり前であり、勝負はそれを超えたところで決まる。
著者:加谷珪一
最終章
・どんなに小さな額であれ、お金の「入り」を増やす事は資産形成の基本。(共働き)・既婚者でお金持ちになれる人は夫婦仲が良いケースが多い。
・人生の3大出費は、住宅、自動車、保険。これら3つ以外に支出を減らす方法はないと考えてよい。
・お金儲けとは元手となる資金をどのようにして増やすかと言うゲームであり、そのゲームを有利に進めるためには、どうしても最初の軍資金が必要なのだ。
まず小金持ちになること。そのためにはまず軍資金を貯め、増やしていく。これしかないってことです。
お金持ちになるためには、やはり当然のことながらお金持ちの思考・行動・習慣が大事なのですね。
当たり前だと思いつつも人がやらないことをコツコツ続け、消費者で終わらないために冷静な目を持ち、投資にしても人付き合いにしても投資家側の判断をする。どんなに忙しくても、大変でも。
筆者について
加谷 珪一
経済評論家。仙台市生まれ。1993年東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP 社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。2000 年に独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は、「ニューズウィーク日本版」や「現代ビジネス」など多くの媒体で連載を持つほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。