木を愛する気持ち 砂漠を緑でいっぱいに【木の好きなケイトさん】

「木育」という言葉があるようです。

これは、北海道から発信された新しい教育概念、教育用語です。

 

「木を子どもの頃から身近に使っていくことを通じて、
人と、森や木との関わりを主体的に考えられる豊かな心を育てたい
という想いを「木育(もくいく)」という言葉にこめた」

「子どもをはじめとするすべての人びとが、木とふれあい、
木に学び、木と生きる」こと学ぶ活動を木育とした。

参照:wikipedia/「平成16年度協働型政策検討システム推進事業報告書」(北海道)

 

森や木、自然との関わり、そしてそれらを思いやる気持ち、

大人も子どもも育んでいきたいものですね。

「木」とのふれあいは、自然に生えた「木」と直に触れることはもちろん

「木のおもちゃ」も、身近な木の素材として人気があります。

 

「木」は加工されても、呼吸をしているそうです。

空気中の湿気を吸い、放湿しながら呼吸して、ちゃんと生きているのです。

無機質な素材に比べて、木の製品からは温もりを感じるのも

小さくなっても、木の製品は自然のかけらだからかもしれませんね。

 

本日は、そんな「木」が大好きで

砂漠を緑豊かな町に変えた、ひとりの女性のお話です。

 




木のすきなケイトさん

砂漠を緑の町にかえたある女のひとのおはなし

 

 

あらすじ

これは、ほんとうにあった

木の大すきな

ケイトさんのおはなしです。

 

 

物語の主人公は、キャサリン・オリヴィア・セションズという女性です。

呼び名は、ケイトといいました。

 

 

 

北カリフォルニアの森で育ったケイトは、

手が汚れるくらい、草花や葉っぱで遊んで過ごしました。

 

 

 

学校でケイトが一番好きな授業は

科学でした。

気候や天候、人間や動物のからだのしくみ、そして植物や自然。

特に、「木」が大好きでした。

 

 

 

この時代は、

ほとんどの女の子が、科学の勉強なんかしなくていい、

と言われて育ちました。

 

でも、ケイトは科学の勉強を諦めなかったのです。

 

 

木は、ケイトのともだちでした。

木が大空にむかってぐんぐんのびたり、

お日さまの光をあびようとして、いっぱいに枝を広げるすがたが

大すきなのです。

木は、ケイトや、森の動物や鳥、植物をまもってくれる

とても大きなかさのようです。

 

「森はいいなあ・・・・」

 

ケイトは森にいると、のびのびとして、しあわせでした。

 

 

その後

ケイトは科学の勉強を続け、カリフォルニア大学はじめての女性科学者として

卒業をします。

大学をはなれ、社会人になったケイト

勤め先は、なんと砂漠の町でした。

 

森で育った、木の大すきなケイトにとって、程遠い存在であったろう砂漠。

そんな砂漠のサンディエゴの町でには、木など見当たらない

公園らしからぬ公園がありました。

町の多くの人は、木のない公園が当然のようでした。

木など、育つはずがないと思っていたからです。

 

陽射しが強く、かわいた土地。

見渡す限りの茶色の風景。

ケイトは、木が大すきだったので、サンディエゴにも

木や森が欲しくてたまらなくなります。

 

 

誰もが「むりだ」と諦めきっていた砂漠で育つ木。

ケイトは、砂漠のサンディエゴにも育つ木を探す仕事に乗り出すのです。

 

 

この物語を書いたH.ジョゼフ ホプキンス氏は、ケイトが仕掛け人のバルボア公園に魅了され

その功績をこの絵本にしたそうです。

「バルボア公園の母」と呼ばれたケイトの勇気と行動力を

どうぞご覧ください。

 

 

絵本データ

タイトル 木のすきなケイトさん
作者 H.A.レイ 原作 , 福本 友美子 訳
出版社 岩波書店
サイズ A4変
ページ数  24ページ
発行日 2009/07/09

 




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