「”空腹”の時間が病気を治す/石原 結實」
本書は”「空腹」が病気を治す」”と言う著者の信念の研究と実践から生まれた石原メソッドのバイブルである。
誰でも簡単にできる方法から、本格的「断食」健康法まで、余すところなく紹介した。
書籍紹介より
著者について
空腹の時間が病気を治す
「食事回数を減らしていきたい」「空腹の時間は必要だ」そう思った時に、どのように実践をしていけば良いのか、その手順がまとめられています。
どうして朝食抜きがおすすめなのか。どんなものを口にしたら良いのか、など。
・1日2食から1日0食も楽しくトライ。
・朝食抜きで始める1日2食。
・食事を抜く時間はできるだけ一定にして習慣化するのが良い。
・朝「吐く息がくさい」「目やにや鼻づまりがある」「尿の色が濃い」などの症状は朝が血液の流れを排泄している時間帯であるために起きる現象。
・人体60兆個の細胞活動源はほぼ100%糖分。
・朝は生姜紅茶かニンジン・リンゴジュースがおすすめ。
・生姜紅茶は熱い紅茶におろし生姜、蜂蜜または黒糖を入れて飲む。
・夕食は何を食べてもOK。
・「空腹」とは胃腸が空になった時の感覚ではなく、血糖が下がった時に脳の空腹中枢が感じる感覚。チョコレートやアメ、黒糖などで血糖値が上がると、空腹感がすぐなくなる。
石原式”空腹”基本食の具体例
では空腹の時間をつくるためのメニューはどんなものが良いのでしょう。
具体例が載せてありました。
朝
①食べない
②お茶に梅干
③熱い紅茶+蜂蜜または黒糖にすりおろし生姜を1〜2杯。
④にんじん2本、りんご1個をジューサーにかけて作る生ジュース1〜2杯。
⑤生姜紅茶1〜2杯+ニンジンリンゴジュース1〜2杯。
昼
①そば又はうどん+七味唐辛子、ネギ、すりおろし生姜を加えるとなお良い。そばはとろろそばがおすすめ。
②ピザまたはパスタ+タバスコなどで軽く済ませる。
夕
何を食べても可。
朝と昼は選択肢の中から選びます。朝は食事という食事は抜きにして、昼も軽く済ませます。が、夜は何を食べても良いというのが石原式だそうです。 これなら、そこまで辛くないかも?
順調に進み、更なるチャレンジを望むならば、1日1食や0食の道もあります。
・さらに体調すっきり減量したいなら夕食のみの1日1食へ。
・1日0食のチャレンジ方法
・まず1日2食を1から2週間続ける。
・1日0食を行う場合、自己流は禁物。
・スイスのチューリヒの故ビルヒャー・ベンナー博士の言葉「太陽光線は我々の体の際細胞の営みの原動力である。植物は動物や人間が栄養物質とエネルギーを引き出すために必要な食物の基本となるものであり、食物の気管は生命の本質と言うべき太陽光線を吸収し有機化する集積装置である。つまり、太陽光線を集積する植物こそが生命の原動力であり、病気を治す特効薬である。」
空腹が病気を治すメカニズムと効能
空腹がどうして有益なのか、研究結果や人間の体の働きと合わせて説明されています。
・空腹が長寿遺伝子を活性化。
・免疫力の基本中の基本は、マクロファージや好中球などの白血球が病原菌やアレルゲン、老廃物、癌細胞などの異物を貧食する力と言うことになる。
・私たちが満腹のときにはマクロファージや好中球も満腹状態で病原菌や癌細胞などの有害物を食べようとする食欲がわかない。
・血液や体内が汚れるのは排泄がうまく行われないから。
・ノーベル生理学医学賞を受賞したフランスのアレキシス・カレル(生理学者改訂新版 人間 この未知なるもの (単行本)の著者でも有名) は「断食こそ、我々の器官と体液とを洗浄し、組織と精神に著しい変化を与え得るもの」と喝破している。
空腹の効能
1、空腹が長寿遺伝子を活性化。
2、空腹状態こそ免疫力が増強する。
3、体内・血液内の老廃物(汚れの元)の排泄。
4、自然治癒力アップ
5、自食作用(Autophagy)飢餓が臓器を活性化する。
6、少食は頭脳を明晰にし、短眠を可能にする。
7、全身の臓器が休息を得て若返る。
8、「空腹・少食」がガンを抑制するという1つの証明。
9、空腹で普通の人より心臓が15歳も若くなる。
10、空腹でグレリン(消化管ホルモン)が分泌され脳の海馬を刺激し、記憶力が高まる。
などが挙げられており、他にもストレスや不眠にも空腹健康法が良いとされています。
本格的「断食」について
いよいよ本格的に断食をしたい人に向けた医学と実践についてです。
断食はなぜ健康に良いのか、断食をしない方が良い場合、断食中に注意することなども紹介されているので、やはり自己流に進めることなく専門家の言葉に従うべきだと思います。断食をすることで現れる体の変化や生理現象についても説明があります。
・断食してはいけない病気・・・結核やガンの末期など
・断食をお勧めしない病気・・・強度の心臓弁膜症など
・断食をお勧めしたいのはこんな病気・・・湿疹、気管支喘息などのアレルギー病
・断食による3つの生理現象。強力な排泄現象。体の毒素が出ていく。病気の細胞が消えてゆく。
感想
これらの他にも断食と人類の歴史や研究報告例、「空腹健康法」を実践し活躍する現代の著名人たちなども紹介されています。
簡単に言うと、食べ過ぎると体を守ってくれる白血球たちも満腹になって外敵を退治してくれなくなる。だから、断食をして白血球たちに働いてもらう環境をつくる。という流れが分かりやすかったですね。
ビルヒャー・ベンナー博士の「太陽光線を集積する植物こそが生命の原動力。」という言葉も印象的で、改めて少食やraw foodが大切なのだと教えられました。
これから「断食」や「少食」を始めようと思っている方はもちろん、少食にへこたれそうになった時にやる気をもらえる一冊としてもおすすめです。