「まいごのしにがみ / 作:いとうみく / 絵:田中映理」
小学校3年生くらいにおすすめの児童書です。
「しにがみ」と「ぼく」が登場します。
3年生くらいだと「死神」と聞いて、まだピンと来ない子もいるいるかもしれませんね。
この本に登場する死神はサラリーマンとして営業成績を気にしながら働いているのです。
現実的な部分もありますが、やはり死と隣り合わせに生きてる(?)死神ですから、ひやっとする場面も・・・。
「しにがみ」と「ぼく」の出会い
友達を遊んでいた「ぼく」は、「しにがみ」に道を尋ねられます。
「死神」と名乗るおじさんに半信半疑な「ぼく」に対し「しにがみ」は自己紹介をし
「安全・快適にあの世へお連れする」のが仕事だと言います。
話し込むふたり
サラリーマンのように勤める「しにがみ」は「情にもろいから営業成績が良くない」と上司にいつも叱られるそうです。
営業成績が良いということは死人を送り出すということで、反対に成績が良くないということは寿命を伸ばしてしまうことを指すこと。
「しにがみ」の話を聞いて「ぼく」は複雑になりつつも、自分のことも話し始めます。
そして少し親近感を持ったふたり。
迷子になっていた死神の行き先は
「しにがみ」が向かう予定だった場所は「ぼく」の家で、実は「ぼく」が死ぬ予定だったことがわかります。
ふたりのやりとりの時間があったことで、起こるはずだった事故を回避できたのです。
それから数年後
最後はハッピーエンド。
「ぼく」は大人になり、「道案内」の経験から警察官へとなりました。
優しい「しにがみ」も転職をして花屋さんになっていました。
感想
文字が大きめで話も長くないので、小学校中学年くらいの子ならスラスラ読めると思います。
ただ、我が家の小学校3年生の娘もやはり「死神」と「死神」の仕事をすぐに把握できなかったので、少し説明を加えてあげました。
大人目線で「主人公が死ぬ予定で、それを迎えに来た死神」という設定は、怖いなと思いましたが、娘はハッピーエンドの方が印象濃く残ったようで、死神の花屋さんにほのぼのしていました。